新卒で入社した会社でオカルト雑誌の営業をやっていた僕が、Webディレクターに転職して早三年。webディレクター始めたころより年収も200万円アップしたここまでを振り返ってみる。
もしあなたがWeb業界未経験の人、営業職から制作職にジョブチェンジしたいなと思っている人なら参考にしてほしい。
Contents(目次)
新卒入社した会社
新卒入社は大手出版社の総合職採用。業界5位くらいの会社で、グループ連結だと社員10000人くらい。
僕は編集職になりたかったけど、配属は雑誌の営業職。いまとなっては数字の見方も、対顧客コミュニケーションも教えてもらったし良い経験だったなと。
転職を考えたきっかけ
ただ、編集がとても強い会社だった。営業は黙って売ってこいみたいな。
もともと商品企画など「企画」する仕事がやりたかったので、まぁつまらない。
異動届けを出したら名古屋の保育園営業の部署に転勤を命じられ、転勤。
転勤命令の2日前に嫁にプロポーズしてたので、まぁテンションが下がるわ。
そんな感じで、やりたい仕事もできない、好きな人と離れる、(名古屋の上司がパワハラ系で病みそうだった)、的なもう嫌なことばかりだった。
そこで名古屋転勤1週間で転職を決意。すぐに転職活動を始めました。
・一度営業で転勤が始まると10年くらい営業コースになるので、編集だったり企画の仕事につけない
・妻が自営業で東京を拠点にしているので東京から動けなくなった
・(パワハラ上司に完全にやる気をなくした)
これがきっかけ。
なぜWebディレクターを選んだのか
まず企画する仕事、作る側の仕事がしたかった。誰かが作ったものを売るよりか、面白いクリエイティブを自分で考えたかった。
次に、雑誌の営業をしていた事で、出版業界の辛さを知っていたから。成長が難しい市場で闘うことの厳しさを思い知ったので、次は成長市場にしよう。と思いました。
あと、将来的には、企業に所属しなくても技術を身につければ食べていける業界、職種にしたかったこと。
こういった理由からwebディレクターにしました。
営業職からwebディレクターへの転職活動
これがこれがとても難航しました。
まず社歴が一年半くらいしかない上に営業職、しかも大学6年間(休学とか)通ってたので、完全に「あんた何したいの?すぐ辞めるんじゃないの」状態。
そして一番きつかったのがwebディレクターの経験やweb制作の経験が全くなかったこと。
当時はhtmlも書けないし、デザインもできないし、webの知識もないし、完全にスキルなし。当時を冷静に振り返ってみるとたしかに普通に転職するのはやっぱり難しかったなとおもいます。
年齢も25歳、本当に未経験で育成対象にするなら、新卒とか専門上がりで基礎的なスキルをきちんと持ってる人の方がどう考えてもいい。
人材紹介会社(エージェント)からは、webディレクターで紹介してもらえたのは2社だけでした。あとは営業職ばかり。
でもやっぱり作る側の仕事がしたかったので、転職サイト(媒体)と友人紹介を通じて最終面接まで2社進めました。
1社はweb広告のクリエイティブで有名なベンチャーA社。もう1社はエン転職で見つけた零細web制作会社B社。
A社は勉強にはなりそうだったんですが、イケイケベンチャーの雰囲気が苦手な私は合わなそうだなーと思って辞退。
B社は未経験からwebディレクターの育成対象を求めていたことと、直請け案件も多く、比較的上流工程で仕事ができそうだったのでB社に入社することにしました。
Webディレクターの年収
さて、大手出版社から、零細web制作会社に転職した僕。年収ベースでは100万円ダウンしました。
未経験webディレクターの場合25歳で年収は大卒で300-350万円前後が相場です。月給にすると20-25万(残業代込み)くらい+賞与年2ヶ月。専門卒や高卒の場合はもう少し安いです。
未経験で転職する場合には年収ダウンは覚悟しておきましょう。
ただ、朗報としては零細企業は実力があり、景気がよければ一般の会社よりも賃上げ幅は大きいです。入社時 月給25万 → 1年後 月給27万 →1年半後 月給31万まで上がりました。
なお、webディレクター全体の平均年収は430万円くらいです。web制作会社の年収のボリュームゾーンは、20代後半で350-400万円くらいが実際のところでしょう。
ちなみにこの秋に3社目にUXディレクターとして転職しました。グループ全体で30000名くらいいる事業会社のUXディレクターになると、
月給34万円(残業代込み)+賞与年5ヶ月
=年収530万円
までアップしました。実力を身につければ身に着けた分だけ給与が上がりやすい職種と言えるでしょう。
24歳 出版社営業 年収400万円
↓
25歳 零細制作会社 年収300万円
↓
27歳 社内で賃上げ 年収430万円
↓
28歳 大手事業会社 年収500万円
Webディレクターの仕事
さて、webディレクターはどんな仕事をするのでしょうか。
簡単にまとめると、web上の制作物の仕切りと設計を担当します。
仕切りとは、スケジュール管理、デザインやプログラムのクオリティ管理、予算の管理、お客さんとの打ち合わせ、営業やデザイナーやプログラマとの橋渡し役をします。
設計とは、面白い企画の企画書を書いたり、イケてるデザインの下書きを考えたり、画面が使いやすいように機能やパーツの配置を考えたりする仕事です。
大まかな流れとしては下記の業務全体を担当することが多いです。
企画書を作る
↓
要件や仕様を考える
↓
予算や工数を見積もる
↓
ワイヤーフレームを書く
↓
デザイナーと協力してデザインを作る
↓
デザインを元にプログラムに実装する
↓
できたプログラムのテストをする
↓
公開する
会社によっては面白い企画を考えることに特化していたり、イケてるデザインを作るのに特化していたり、使いやすいプログラムを予定通りに作ることに特化していたり、テストを精緻にやってバグが出ないようにするなど、それぞれの得意分野に特化して働く場合があります。
あなたがやりたいこと、身につけたいスキル、目指すキャリアパスを元にどういう会社に入るか考えてみましょう。
webディレクターに必要なスキル
webディレクターのスキルを6タイプに分けてみたでも述べたように、大まかに6つに分けられます。
1 プロジェクトマネジメント
2 要件定義・設計
3 企画・プレゼン
4 デザイン
5 マーケティング
6 開発
詳しくはこちらの記事を読んでもらいたいが、私は未経験から自分の知見を広げるためにこういった勉強をしました。
HTML&CSSの勉強
書籍を5冊、ドットインストールを使って勉強。自分でホームページを作れるようになりました。あと、HTML5プロフェッショナルも独学で取りました。
サーバーサイド言語の勉強
PHPとLaravelをテックアカデミーを使って勉強しました。あんまりプログラムは得意にならなかったんですが、データベース定義書やER図は読めるようになりました。
SEOの勉強
奥さんの自営業の店舗のホームページを作って、SEO対策をして上位表示を実践しました。書籍を3冊と、Googleのガイドラインを熟読したり、社内の勉強会で発表したりしました。
UI/UXの勉強
7冊ほど本を読みました。一番本を読んだかなーと思います。情報設計の本や、有名なノンデザイナーズデザインブックとかそういった書籍を読みました。
実際には、自分が磨きたいディレクターのスキルに応じてで構わないのでとにかく勉強しましょう。
Webディレクターの働いて得られるスキル
働いて得られるスキルと言っても、自分で勉強しない限り身につきません。
特に制作会社などは、先輩社員も叩き上げの人が多いので、一から十まで手取り足取りは教えてくれません。自分でスクールに通ったり、オンラインの講座を受けるなどが必要です。
その前提の上で私が得たスキルは以下でした。
・お客の要件を整理すること
・デザイナーやプログラマへの伝え方
・大きなサイトやサービスを作る時に考えなければいけないこと
・サイトマップやワイヤーフレームの書き方
・予算感と工数感
Webディレクターとして経験したこと
僕はこんなことを経験しました。結構しんどかったなぁ。
LP&バナー地獄
毎週50枚のバナー+LP8枚を仕切る
とにかくリソースの管理とお客さんの要件整理が大変でした。しかもスケジュールが短いお客さんで、依頼があってから1時間後にバナー納品とかそういうこともありました。
要件決められない無能SIer
大きいシステム会社のプロジェクトマネージャーから案件を頂くことも。決済権がなく、どういう仕様にしたいかもイメージがないので、とにかく最終系がわからない迷路に何度も迷い込みました。決められないことを決めに行く訓練をだいぶやりました。
プロでしょ?と無謀な要求を出す発注者
なんども仕様書で確認してるのに、言ってない、聞いてないと自分の主張を取り下げないお客さんもいました。ちゃんとやらんと金を払わんと言い出すことも。すぐ怒られるのでとっても怖かったです。
ほかにも色々とありましたが、未経験からこのちょっとの期間の間に、
・数千万のサイト×3
・数100ページのサイト×3
・C to Cの大規模サービス
・LPやバナーを大量に制作
・ユーザビリティ改善提案
などなど、たくさん経験させてもらったので本当にいい経験をしたなーと思ったりしています。
未経験からWebディレクターへの転職を考えている人に
仕切るのが好きだったり得意な人は楽しい仕事だと思います。
あとは企画が好きだったり、世の中に自分が作った制作物で勝負してみたいと思うような人にもオススメです。
ただし、未経験からwebディレクターになる場合、次のことに気をつけるべきです。
年収
基本は制作職なので、付加価値を自分でつけない限り安いです。付加価値がつけば頑張り次第で20代で600万円以上の高年収も充分可能です。
スキル
未経験の場合、自分で勉強を続ける姿勢が必要です
会社の選び方
出来るだけ上流工程の会社でないと、魅力的なスキルは身につきません。またブラックな会社も多いので気をつけるべきです。
働き方
基本的には夜遅い会社が多いです。徹夜で仕上げる会社、休日返上で働く会社もいっぱいあります。ある程度体力に自信が無いとしんどいです。
キャリアパス
ただの制作ディレクターで終わると、しんどいだけです。マーケティングでつよくなりたいのか、企画・設計で強くなりたいのか、デザインなのか、開発なのか、自分の強みを自分で見つけてステップアップする意思と計画を持っていないと、奴隷で終わります。頭を使う仕事ほど地位も年収も上がります。
未経験ならまずはwebを経験してみる
今の時代、ワードプレスなど簡単なCMSを使えばプログラミングの体験ができます。ブログでwebコンテンツの作り方を学ぶのも良いでしょう。ドットインストールなどのwebコンテンツをつかえば簡単なwebページなら1ヶ月もあれば作れます。とにかく自分でやってみることが大事です。
以上です。
最後に。それでもやっぱりwebディレクターの仕事って楽しい
どうでしたか?未経験でwebディレクターに挑戦した僕の3年間を振り返ってみました。
僕はこの仕事が天職だと思っています。
やりたいことを考えて、設計して、それがデザインになって、webページになって、日本中や世界中のひとにみてもらえる、使ってもらえる。
こんなに面白い仕事はないと思います。
webディレクターって本当は専門性の高い仕事だと思うんですが、いまいち社会的意義が認知されていない仕事だと思います。
また折を見てみなさんにwebディレクターの仕事がどういう仕事かここで共有しますね。