就活生のみなさん出版社に入りたいですか?新卒で出版社に入社した、たかきちとはたけのの体験談から「こういう人が出版社に入社しやすい」という点をまとめてみます。
どうしても出版社に入社したいのなら、あなたの現状と比べてみて足りないところがあればカバーできるように今から取り組みましょう!
Contents(目次)
本・雑誌・マンガが好き
出版社を目指すからには、「本が好き」と言うのは当たり前の最低条件です。
そんなに好きじゃない場合は目指さないほうがいいでしょう。
では具体的にどの程度「好き」であることが望ましいのでしょうか。
僕の同期や他の出版社の同じ年度の人たちの「本が好き」エピソードをサンプルに書いておきます。
あなたの好き度合いがどれくらいか比べてみてください。
私は子どもの頃から「ムー」が好きで毎月買っていました。
教科書に載っていた「スイミー」の話がとても好きで大人になってからレオ=レオニの作品を全部読みました。
ジャニーズが好きで複数社の雑誌を切り抜いてスクラップブックを今でも作っています。
赤毛のアンが好きすぎて原作の舞台に留学していました。
どうでしょう。自信をもってこの人達と同じくらい好き、この人達以上に好き、というコンテンツはありますか?
ひとことで言えば、「生活の一部になっているレベルで本が好きかどうか」
これが一つ目の条件です。
学歴
2つ目の条件は学歴です。新卒入社の場合、結果的に学歴が高い人が残りやすい構造になっています。
MARCHと同等かそれ以上の学歴の人が多い業界。
その理由は3つあります。
1,筆記試験の内容が大学入試レベルの基礎学力テスト
2,募集数に対して応募者が非常に多い
3,出版社によっては高い専門知識が必要な場合がある
内定者の中に東大京大、早慶上智、このあたりの人が多くて結構びっくりしました。MARCHより難易度が低い大学の人はほとんど見当たりませんでしたね。
お勉強が苦手な人は正直入りづらい業界です。
1,筆記試験の内容が大学入試レベル
マスコミ・出版系はテストが難しく、会社独自で作成している場合も多いので対策が難しいのが特徴です。また、時事も事前に対策をしていないと絶対に解くことができません。
・国語+数学+英語 の基礎学力テスト
・難読漢字
・時事問題
とにかくこれが難しいです。特に難読漢字のテストは漢検二級を持ってる僕でも見たことも聞いたこともない問題が出ます。
どうしてもテスト慣れした偏差値の高めの大学出身者が残ってしまう傾向があります。
2,募集数に対して応募者が非常に多い
出版社のビジネス構造は、人間を増やせば売上が伸びる構造ではないので、内定者はとても少ない。大手5社でも編集職&営業職の内定者は10名程度です。
この各社10名程度の枠に2000~4000人がエントリーします。
中小出版社でも内定1名枠に数百人はザラです。
採用担当者も応募者全員のエントリーシートを見ていられないので、実際には学歴である程度フィルターをかけざるを得ないでしょう。
3,出版社によっては高い専門知識が必要な場合がある
例えば辞書を出版している会社では、国語や言語についての高い専門知識が必要になります。
魚や植物の辞典を作っている会社では、生物についての院卒レベルの詳しい知識が必要になります。
僕が入社した会社では、筑波の大学院で魚を研究していた大学院卒の人が辞典の部門に配属されました。
他にも学芸大学で数学を専攻していた人が、数学の参考書を作る編集になったり。
上智大学で英文学やってた人が、英語の学習参考書を作る編集になったり。
こういった「学術的な素養」の高さが必要な場合もあるので、学歴がある程度重要視されます。
学生時代のバイト経験
出版業界や本のビジネスと関わる経験があったかどうかが問われます。
編集職のほとんどは、学生時代に本屋でアルバイトしたり、出版社でアルバイトしたりしています。
新卒採用の中では、比較的スキル・経験が必要とされる業界でしょう。
本の制作会社でラフを書いたり、電話番をしたりしていました
本屋でアルバイトしていて、フェアを仕切っていました
こういったスキルや経験があるとより良いでしょう。
これが3つ目の条件です。
魅力的なエントリーシートを書くことができる
4つ目は広告や出版、マスコミのエントリーシートでよくある「自由記述」のシートをいかに魅力的に書けるかです。
色を使い、写真を使い、わかりやすいレイアウト、魅力的なコピーで採用担当官にアピールできるか。
長い文章、整理できていない志望理由など、基本的に落ちます。
同期のエントリーシートを見る機会がありましたが、学級新聞のようなテイストの人、インデザインやイラレで作成して貼り付けている人など、形にとらわれないものばかりでした。
発想の柔軟性と情報の設計がきちんとできるかが見られています。
筆記試験で高得点
5つ目の条件は、筆記試験での高得点です。とにかくこのテストを通過できるかどうかは重要です。
講談社や集英社などの最大手では3500人程度が受験をします。ここから面接に進むのは数百人ですのでほとんどの人が落ちます。
僕が入社した会社でも、書類選考2000人→テスト500人→面接200人とかなりの数が絞られていきました。
・国語+数学+英語 の基礎学力テスト
・難読漢字
・時事問題
すでに述べたように、本気で出版社に入りたい人はマスコミや出版向けの試験対策勉強を必ずしましょう。
ただ僕の場合は全然テストができませんでした。あとあとの面接で「君は勉強が苦手かな??」と半笑いで聞かれて本当にビビりました。
ちゃんと受けた出版社もここと教科書出版がもう一社だけだったので、大して勉強してなかったんですよね。
これは営業職の場合なので、編集職の場合は高得点が本当に求められるので、きちんと勉強しましょう。
人よりもマニアな分野がある
6つ目の条件は、人よりマニアックな分野があるかどうかです。
お勉強ができても、記事の作成能力が高くても、出版社には受かりません。
あなたが世の中に伝えたい事があるかどうか、コンテンツにできるものを知っているかがとても重要です。
例えば…
オカルトについては誰よりも詳しい
アニメについては誰よりも詳しい
アイドルについては誰よりも詳しい
日本の観光地については誰よりも詳しい
魚については誰よりも詳しい
ファッションについては誰よりも詳しい
京都については誰よりも詳しい
車については誰よりも詳しい
絵本については誰よりも詳しい
出版社の仕事は、作ったコンテンツを世の中に届けて、話題を作ったり、新しい価値観を提供していく事です。
実際の業務では自分の詳しい分野がそのまま担当できることは少ないですが、マニアのマインドを持っていないと読者のことを理解できません。
これは編集職だけでなく、営業職にも求められる傾向だと思います。あなたにはマニアックな趣味はなにかありますか??
小論文や作文が得意
7つ目の条件は、情報を論理的に伝える力と国語力です。
コンテンツを届ける仕事なので、文章を書く力があるかどうか、情報を整理してきちんと論理的に説明できるかが求められます。
実際の業務で記事の文章を書くのはライターさんなので、編集者は書きません。
しかし、文章や記事のアウトラインは編集側が作ることが多いです。
人が書いた文章をわかりすく書き換えたり、日本語としておかしい表現を訂正できるかという知識も重要です。
ちなみに僕は試験で書いた小論文が面白かったので受かったそうですw
テストが苦手な人は小論文で勝負しても良いでしょう。
企画や制作の経験がある
出版社に入社するための8つ目の条件は、企画や制作の経験です。
これはどんな種類でもいいので「クリエイティブ」なことをしたことがあるかどうかが求められます。
例えば、
サークルの動画作成をやっていました
ブログを作って運営していました
デザインを作ってコンペに出したことがあります
フリーペーパーを作っていました
作曲をしたことがあります
舞台で脚本を作って発表していました
etc…
最後に
以上が新卒で出版社に入るための8つの条件です。
この条件をすべて満たしていると、出版社へ入社する確率が格段に高くなります。
あなたはこの8つの条件に足りていますか?もし足りていない部分があれば別の方法で自分の魅力を補いましょう。
コメント
[…] 正直、僕がこれほどの高倍率な試験をクリアできたのは、最低限の素養はあったのでしょうが、それに加えて担当した面接官と相性が良かったなどの運があったんだと思っています。 […]