今年の4月に熊本市現代美術館で開催されている『高橋コレクションの宇宙』に行き、はじめて高橋コレクションを知った。
今日お伝えしたいのは、とにかくこのおじさんのコレクションすごいということ。
↓この前言ってきた展覧会『高橋コレクションの宇宙(熊本市現代美術館)』
『高橋コレクション』とは
『高橋コレクション』とは、精神科医の高橋龍太郎氏が個人的に集めている、おそらく日本最大の現代アートのコレクション。
日本の作家を中心にコレクションされていて、会田誠、村上隆、奈良美智、草間彌生、荒木経惟、蜷川実花、清川あさみ、名和晃平、なんとチームラボまで…そうそうたるメンバーが集められている個人蔵ギャラリー。
1997年以降に収集活動が本格化され、20世紀末から現在までの日本の現代アートを俯瞰してみることができる、個人コレクションにしてはすごすぎるだろwwwって笑っちゃうくらい、質的にも量的にも素晴らしいアートコレクションだ。
会田誠 『美しい旗』 出典:tokyoartnavi.jp
奈良美智 『Untitled』
草間彌生『ハーイ、コンニチワ!ヤヨイちゃん』、『ハーイ、コンニチワ!ポチ』
名和晃平『PixCell-Lion』(写真は 高橋コレクション ミラー・ニューロン展のパンフレット)
チームラボ『世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う』
これら全部高橋龍太郎氏の個人蔵!!
全部で2500点以上所有しているんだとか。。。
高橋龍太郎とは誰なのか、何者なのか
一言で言えば、「アート好きのオジサマ精神科医(金持ち)」
高橋氏は慶応大学医学部を卒業後、都内の病院にて勤務し、現在は東京都大田区にクリニックを構える精神科医。医療法人社団こころの会グループ タカハシクリニックを経営する経営者でもある。
まさにこれが現代のパトロンという感じ
出典:medical-confidential.com
そんな彼がなぜ現代アートコレクターとなったのか。
『高橋コレクション』のきっかけとは
高橋氏は、もともとは映像作家になりたかったらしい。
だが、親が医師だったこともあり、あんまり医師はやりたくないけど、「東大か医学部なら東京に出てもいい」と言われとりあえず医学部という感じで進学したそう。
この当時のことをこう語っている。
慶応大学の医学部に入学した私は、あまり医師になる希望はなくて、映像作家になりたかった。とにかく東京のアートシーンは眩しく映った。ビートルズがいてローリング・ストーンズがいて、大島渚がいた。ATG映画があって、横尾忠則がいて、四谷シモンがいて、合田佐和子もいた。紅テントと黒テントが会って、自由劇場、山下洋輔がいた。
出典:『現代美術コレクター』(高橋龍太郎) 講談社現代新書
憧れの東京に出てきて、学内の新聞や雑誌の記事制作をして、ほとんど医学の勉強はしていなかった彼だが、当時の草間彌生や最先端のカルチャーを目にする中で、自分にはアーティスト性は無いなぁと言うのを感じ、悔しさを感じながらも結果的に医師となった。
時は流れ、医師として奮闘する中で、個人のクリニックを開いた彼だったが、
「学生時代と同じようにアートの近くにいたいなぁ」という思いが日に日に募り、自分のクリニックに気に入った美術作品を展示するようになった。
これが、高橋コレクションのきっかけ。
お医者さんやりながら資産運用で儲かったお金をどんどん自分のコレクションにつぎ込んでいったそうな。
結果的にそれが、これだけの一大コレクションになっているということはやっぱりすごい。
いいなぁ。鑑賞者としてだけでなく、購入者としてアートに関われるんだもんなぁ。私なんかはマグリットのポスター買ったりソールライターのポストカード飾るのが関の山。。。
コレクターとして、草間彌生との再会を果たす
Embed from Getty Images
彼のコレクションが大きく勢いづいていったのは、草間彌生との出会いだった。
と、流石に長くなってきたので今日のところは一旦ここまで。
次回はいろいろなアーティストと高橋氏の出会い、そして高橋コレクションはたくさん展覧会をやっているのでその遍歴もご紹介しようかと。
草間彌生と高橋さんの出会いの話はおもしろかったなぁ。。。