写狂老人A

ある日新宿で1時間くらい時間が余ったのでアラーキーを見てきました。最初の記事が安藤忠雄じゃなくて良いのかw

今回行った展覧会:「写狂老人A 荒木経惟」(オペラシティアートギャラリー)http://www.operacity.jp/ag/exh199/

実はアラーキーの展覧会に行くのは初めて。今年の4月に熊本市現代美術館でやってた「高橋コレクション」でアラーキーの作品を見て、感動したのでちょっと足を運んでみました。

「ヌード写真をよく撮る有名写真家」くらいの知識しかなかったので、序盤の『大光画』は壮観。

「でた!やっぱり!クレイジー!!」とおもってましたが、会場全体を見るとその感想もだんだん変わってきて、アラーキーが撮ってきたものがなんとなく分かってきました。

彼が撮っているのは「日常とエロスと生死」だと。

不思議なことに、ヌード写真めちゃくちゃありますが、そんなにエロくないんです。(もちろんダルダルの体のおばさんばっかりというのもありますが)

全てを脱ぎ捨てているのに顔だけはバッチリ決まってるんですよね。

ダルダルな体に刻み込んできたその人の人生と、その人生を生きるために社会に向けて見せている「顔」がとても鮮やかに写真に収められていてすごく力強い「生」を感じました。

その一方で「写狂老人A日記2017.7」や後半のセクションは彼が見ている「日常」そのものが色濃く出ていてこちらも面白かったです。写真の日付が「2017.7.7」となっているんですけど、明らかに7月の写真じゃないモノがいっぱいあって、なんだかニヤニヤ。冬のコートを来ていたり、いつぞやのニュース写真だったり。

特に印象的だったのは、テレビニュースや新聞を写している写真でした。その当時起きていること、誰かが死んだ、○○が問題になっているそんな瞬間が一枚一枚の写真で切り取られていました。テレ朝のニュースキャスターの顔がめっちゃ間抜けな瞬間を撮ったやつとか、故人を偲ぶ記事だったりとか、日常と生死は常に隣り合わせなんだけれども、意外と意識してないよね、とかそんなことを気付かされる写真たちでした。

彼のポートレートはやっぱり最高

他にも彼の写真集が会場には置いてあって自由に見られます。これ見るだけで1時間くらい時間潰しちゃいましたw。

あとは彼が男性のポートレートを撮ってる認識があんまりなくて、「八百屋のおじさん」のポートレート集があったのはとてもおもしろかったですね。なんだかなんだか、どうやったら被写体をそんなに輝かせられるのか、すげぇなぁこれが天才ってことなんだろうなぁとか思った展覧会でした。

追伸

高橋コレクションすげぇなホント。。。アラーキーの中でも本当に良いやつを所蔵してるんだなぁと実感しました。


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