六本木 21_21 DESIGN SIGHT で開催中の「野生展-飼いならされない感覚と思考」に行ってきた感想をレポート。
人々の生活や自然の中にある「偶然を超えた美」がたくさん展示されていて面白かったー!!
ビビットで、鮮烈で、無駄がなくて、でもどこか素朴で、そういう世界中の「野生」が集った展覧会でした。
ちなみにタイトルの「野生」=「飼いならされていない心の領域」という意味で、その「野生」に触れることで新しい発見・思考・感覚を見つけていこうというのが今回の展覧会の趣旨。
野生展-飼いならされない感覚と思考
会場
21_21 DESIGN SIGHT
東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内
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開催期間
2017年10月20日(金)- 2018年2月4日(日)
開館時間
10:00 – 19:00(入場は18:30まで)
休館日
火曜日、年末年始(12月26日 – 1月3日)
入館料
一般1,100円、大学生800円、高校生 500円、中学生以下無料
国立新美術館「安藤忠雄展―挑戦―」(会期:2017年9月27日 – 12月18日)の半券のご提示で、通常の入場料が100円相互割引
「野生」とは
野生展では、「野生」とは自分でもまだ知らない、見たことも感じたこともない、「飼いならされていない心の領域」と定義しています。
アーティスト自身が見たこともない、初めて出会うようなものに対してどう向き合ったのか、どうかんじてどう噛み砕いて表現するのかを楽しみながら見ることができる展覧会です。
上に掲載した写真は何かわかりますか?
これは山梨県など甲信地方でよく見られる「丸石神」の展示です。
「丸石神」は川を流れていく中で自然に丸くなった石、特に自然が作ったとは思えないほどきれいな丸だったりする特異なものを信仰の対象として祀っているものです。
本来はただの石ですが、丸くてきれいな石を見た時に神々しさを人々が感じたのでしょう。ここにも見慣れないものを見た時に、人々が信仰心を持つ様子が描かれています。これも「野生」の一つです。
偶然を超えた美=「やりあて」の特集
企画展の前半は、粘菌の研究や民俗学の研究で名を馳せた「南方熊楠(みながたくまぐす)」の手記などをベースに世界観が展開していきます。
彼は、偶然の域を超えた発見や発明・的中を、「やりあて」と呼びました。
偶然居合わせた人間が映像でつながれ、ネットワークを作るインスタレーション作品。
南方が研究した粘菌もガラスできれいな彫刻が再現されていて、ここにも「野生」の美しさを感じることができます。
日本のかわいい文化も「野生」的なもの
「かわいい」はとてつもない古さと深さをもった日本的概念である。縄文時代から現代に至るまで、日本人は「かわいい」の表現に情熱を注いできた。
この日本の古来からの「かわいい」を考察するコーナーが面白かった~
土偶とキティちゃんの対比がうける。形は違うけど、たしかにどちらも「デフォルメしたかわいさ」だ。
ご当地キティちゃんが全部集められていたりするのも面白い。キティちゃんが明石のタコを被ってるやつとか。
民芸品に見られる「かわいさ」。キューピーコーワも確かにかわいい。
ぶたちゃん
現代の日用品が粘土で塗り込められてます。パット見形だけだとわからないんですが、あ、これシャンプーだーとか分かるわけですよね。
ここでちょっと気づきがあったんですが、「LAXスーパーリッチ」って書いて無くてもこの形はシャンプーだなーってわかるし、「あ、お風呂のスポンジだ」って分かるんですよね。つまり何が言いたいかって言うと、形や大きさにもものを判別する機能があるってこと。に気づきました。
21_21の企画展はこういう気付きがあるからやっぱり好きなんですよね~
モクレンの木の実を使った作品に野生を感じる
結構見た目グロいですよね。これは美術家の田島征三の作品。集合体恐怖症の人はみれないですよね。
作品名は「獣の遠吠え」。こういったモクレンの木の実を使った作品をたくさん出している方です。
最後に
今回の21_21は結構渋めの展覧会でしたね。毎年秋冬の展覧会は渋めのものが多いですね~。会場全体は写真撮影もOKですし、インスタレーション作品などドーンとしたものが多い展覧会でしたので、ふらっと足を運んでみても面白いかもしれません。