毎年、年に1回開催されている『文化庁メディア芸術祭(通称:メ芸)』に足を運んでみた。
個人的には、岡崎体育が受賞してたのと、シンセサイザー「moog」の人が受賞してたの面白かった。
今回行った展覧会:『第20回 文化庁メディア芸術祭 受賞作品展』2017/9/16~2017/9/28(東京オペラシティ アートギャラリー他)
http://festival.j-mediaarts.jp/
Contents(目次)
第20回のメディア芸術祭 エンターテイメント部門:大賞は
『シン・ゴジラ』庵野秀明/樋口正嗣
大ヒットし、しかも映画として評価されるだろう作品に、エンターテインメント部門の贈賞が必要だろうかという反論もあった。しかし、2016年を振り返ったときにまっ先に思い出す作品であり、圧倒的なパワーを持っている。そのことは、あらゆる手を使って記録されるべきだろう。(中略)日本の特撮やアニメーション、実写のスタッフと技術が集結した鮮烈な映像作品は、作品制作現場における思考停止およびルーティン化していた部分を破壊し、新しいステージに進んだ。その記念碑としても、大賞にふさわしい。
作品概要:
あえて説明するまでもないだろう。「ゴジラ」だ。いや『シン・ゴジラ』だ。いや『SHIN GODZILLA』か?
石原さとみが「ガッズィっラっ」と喋っていたのが頭の中でループする。長谷川博己カッコ良かったなぁ。(私は長谷川博己結構好きなのです。)
amazonで早速取り寄せました。
アニメーション部門:大賞は
『君の名は。』新海誠
アニメーションは、時間の流れの一方向性や3次元空間の距離を容易く飛び超える。その飛び超えが、快感にまで高められるのは、容易くはないだろう。『君の名は。』はそこを見事に成し遂げている。こころが、違った外観を身につけることに、違和感をもたない現代社会、あるいはむしろそうした外観を積極的に身につけることで新鮮な喜びを発見する現代社会の在り方が見通せる。さらにはこころの出会いを、メディアを媒介することの繰り返しで成し遂げる様相は、現代人の願望の表われなのであろう。アニメーションが現代人のこころの象徴となったことを高く評価したい。
君の前前前世。。。と聞こえてきそうなやつ。2016年最もヒット・ロングラン公開することとなったアニメーション作品。「その時代」を象徴する作品が受賞する傾向の強いメディア芸術祭なら、この大賞受賞も頷けるだろう。セル画や原画が幾つか飾られており、ファンにはたまらないはずだ。
マンガ部門:大賞は
『BLUE GIANT』石塚真一
荒削りながら得体の知れない迫力で周囲を圧倒する主人公のように、本作はJAZZを知る人も知らない人もぐいぐい惹きつけて大賞に輝いた。だが作品自体はけっして荒削りではなく、外連味のない魅力が用意周到に発揮されている。音が出ないというマンガの性質を逆手にとった即興演奏の描写がその一例である。爆発した情熱が音楽として輝く奇跡のような瞬間、メンバー同士の丁々発止のやりとり、その現場に立ち会った聴衆との交感は、この作品の白眉である。
私の大好きな漫画。今年受賞なのか~という感想はあるが、受賞して当然だと思う、とても素敵な作品。受賞理由にもある、「音が聞こえないけど聞こえる」漫画と言うのは本当で、登場人物の生命力が全身から発散されている、音に乗って、という、、、とにかく読んで欲しい。
第1部が終わっちゃって、なんというかとても残念。しかもあんなラスト。ユキノリ、、、いまは第2部として『BLUE GIANT SUPREME』がスタート。世界に飛び出た主人公の活躍が楽しみ。
アート部門:大賞は
『Interface I』Ralf BAECKER
本作は、世界の表象とミクロな構造の具象化を機械的なシステム構築によって結び付けた点が、高く評価され、大賞につながった。
作品概要:
192個の直流モーターが糸を「綱引き」しながら上下する。そして左右の連なるモーターとつながれた糸が引っ張られて様々な形を作り出すインスタレーション作品。一つ一つのモーターは規則的に動いているだけだが、全体としてはつながりあって1つのまとまりを生み出している。「過程と結果」や「部分と全体」について改めて考えるきっかけになる作品。
『Pokemon GO』、岡崎体育も受賞
エンターテイメント部門 新人賞:岡崎体育『MUSIC VIDEO』
個人的には、「マジか受賞かw」と笑ってしまった。ただ、彼の作品を見ると、クオリティは高い。パロディがオリジナリティとしてきちんと成立している。会場では岡崎体育によるトークイベントも開催されたりと面白い。
エンターテイメント部門 優秀賞:『Pokemon GO』
会場内では好きなポケモンと写真が取れるコーナーがある。私はピカチュウと撮影した。
2016年で1番話題になったゲームと言えばコレだろう。
アート部門 新人賞:『The Wall』/Nina KURTELA
美術館やアートギャラリーの白い壁をひたすら撮影した作品。受賞理由が興味深い。
ワシリー・カンディンスキーは、何も描かれていないキャンバスはけっしてニュートラルなメディウムではなく、すでに独特の響きを持っていると、バウハウスの授業で教えている。同様に作品が展示されるギャラリーや美術館の白い壁もニュートラルなメディウムではなく、形や色、素材によって構成された独特の響きを持っている。白い壁は「何もない空間」ではなく、意外に饒舌に我々に語りかけてくる。
国立新美術館の白と森美術館の白も違うなぁ。確かに言われてみれば。
アート部門 新人賞:『あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。』
出典:文化庁メディア芸術祭
いまこの瞬間の映像が映されるフレーム、昨日の同じ場所の映像が映されるフレーム、フレームかと思って近づくと鏡だったフレーム、鏡かと思って近づくとタダの木枠だけのフレーム。様々なフレームが規則正しく並べられている作品。非常に面白いコンセプトのアート。この作品の中をぐるぐるぐるぐる。
一度この作品に自分の身体を投げ込むなら、我々はぐるぐるとこの静かなフレームの森を歩き続けるだろう。それはこのインスタレーションに、なぜフレーム越しに見える世界は括られているだけで輝いて見えるのだろうかという、映像についての抜本的な問いを生む力があるからだ。フレームを覗き込む自分自身の背中を見る経験は、やがてシンプルだが秀逸なしかけによって思考の枠組みそのものの次元を拡張させる。
などなどとてもおもしろい作品ばかり。
漫画コーナーでは受賞作品の1巻を読むこともできる。
会場は新宿全体(メインはオペラシティ)
今年は新宿エリアを拠点に開催。
私が行ったのは、オペラシティアートギャラリー。
同じオペラシティ内にあるICCも使って展示されていた。
メディア芸術祭に足を運ぶのは何年ぶりだろう。
私の妻がまだ妻ではなかった時、国立新美術館でやっているのに行った思い出。
妻ではない元カノと一緒にいったのが思い出される
確かまどマギが大賞受賞した時だったような。。。
ぜひ会期も残り短くなっているので、ぜひ会場に足を運んでもらいたい、特に漫画好きにはオススメ。