直島のベネッセハウスミュージアムでプロポーズした話


photo:Todd Lappin

これは実話。私自身の話。
たまには自分の事も記事にしてみたい。

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プロポーズを決意するまで

妻にプロポーズしたのは2015年4月3日だったと思う。
あの時のドキドキとワクワクは今でも覚えてるなぁ。

当時、学生時代からお付き合いしていた音大出身の彼女と、春の旅行でもしようということになり

美術館めぐりが二人の唯一の共通の趣味だった私たちは「それなら直島に行こうよ」と誘った。

2013年の瀬戸内国際芸術祭に訪れたことのあった私は、その素晴らしさを知っていたし、行ったことのない彼女も行きたがっていた。


付き合って2年弱くらいだったかな。お互い社会人として一周したくらいの頃で、この人とずっといっしょにいたいなぁと思ってたり、思い始めた時期でした。

プロポーズを決意

「なんかきっかけがあればプロポーズしよう」くらいに考えていた私は、ふと2年前の夏休みに訪れた、ブルース・ナウマンの『100生きて死ね』を思い出した。

「あの作品の前でプロポーズしたらめっちゃ感動するんじゃね?忘れられない思い出になるッペ」と思い、プロポーズを決意。

『100生きて死ね』は、ネオン管で作られた作品で、生と死にまつわる100個のキーワードが時間とともに明滅を繰り返す作品。

こんな言葉がカラフルな色であっちが光ったりこっちが光ったりする。

LIVE AND LIVE
SLEEP AND LIVE
COME AND LIVE

LIVE AND DIE
LOVE AND DIE
EAT AND DIE

「いいじゃん!いろんな事があっても、生きて、死ぬ。人生をともにする誓いには最高な場所やん」

よし、プロポーズの場所は決まった。そこからいろいろと準備が始まった。

プロポーズはベネッセハウス宿泊者限定の時間で

でもタイミングはいつにしよう。
言うてもベネッセハウスミュージアムってめちゃくちゃ人が来る場所。

わざわざみんなの前でプロポーズするほど、さすがのロマンチストな私でもそこまで肝はすわっていない。

よくよく調べると、ベネッセハウスミュージアムはベネッセハウス宿泊者だけが観覧できる時間があるじゃないか。一般客が退館した後の、夜の2時間くらい。

OK、プロポーズのタイミングはそこに決まった。

婚約的な、ああいう、渡すやつ。

場所とタイミングが決まった。あとは渡すものか。

もちろん婚約的なああいうやつは持っていくつもりだったが、20代半ばで貯金も大してなかった私はキラキラで大きいやつは正直買えなかった。

それならその瞬間だけの思い出をできるだけ残してあげたい、と思い「一輪のバラ」を用意することにした。花束でも良かったが、なんとなく一輪のほうがメッセージ性が強い気がして一輪だけ。(いやそこは物のほうが良いという女性陣、お許し下さい。)


photo:houroumono

とはいえ、そこは離島。東京の銀座ではない。お花屋さんなんか離島にはない。

悩んでいたところ、どうせならベネッセハウスに聞いてみるかってことで直接電話して花屋さんについて聞いてみることに。

「島内にはありませんが、対岸の高松や岡山側のお花屋さんから取り寄せることは出来ます」とのこと。

おーやるやん。ホスピタリティ高い。そのままフロントの方にお花をお願いした。

離島からの割高な輸送費がかかったが、大した金額ではない。あと家から持っていく荷物に「婚約のそういうもの」が入っててバレるのが嫌だったので、事前に宅急便で送って預かってもらった。

(ちなみに婚約のそういうものは、仕事柄指輪をあまりつけられない彼女を考え、ささやかなダイヤのネックレスにした。)

うんうん、準備はOK。後は行くだけ。

いよいよベネッセハウスミュージアムでのプロポーズの日

決行当日。

その日のルートは、高松から犬島に行き、夕方には直島着そんな予定だった。

プロポーズへの緊張もあったが、犬島は本当にそんなことを忘れるくらい素敵だった。

photo:Koichi

photo:Kimon Berlin

photo:cotaro70s

ベネッセハウスのレストランで美味しいディナーを食べ、ひとやすみしてベネッセハウスミュージアムへ。30分くらい館内の常設展示を見て回った。

彼女には「ここで宿泊者だけの特別プログラムがあるらしいから、お願いしてくるから待ってて」と。とんだ嘘っぱちだ、そんなプログラムどこにも書いてない。

だが、特別なプログラムであることには違いなかろう!!


photo:skrytebane

いよいよプロポーズの時。

『100生きて死ね』の前へ。

暗闇の中、明滅を繰り返すネオン管。


photo:Todd Lappin

「僕と結婚してください。」

「うん。」

彼女、いや妻となった女性の頬には涙が流れていました。

すみません。なんか書いててじんわりしてしまった。
あーロマンチスト。あーくっせぇくらいのロマンチスト。
でも良いんです。いい思い出になったことは間違いない。

なので、私にとっては「安藤建築が好き」って言うだけじゃなくて、実は自分の人生の中で大事な瞬間を過ごした思い入れのある場所なんですね。

追伸:来月直島に行ってきます。

そんなこんなで来月10月に、2年半ぶりにまた直島に行ける機会が。今回は直島よりも豊島を中心に周る予定で、豊島に新しく出来た一日1組2人しか泊まれない『檸檬ホテル』に泊まることにしています。

そちらの様子はまたブログでアップしたいなと。

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